役者の用語で、真・二枚目・三枚目って何ですか?監督としてお答えします

あなたはこのような悩みを持っていませんか?
・役者の用語で真というのは何を意味するの?
・二枚目、三枚目という言葉を聞くけど、どういう意味?
といった疑問にお答えしていきます。

私、三天屋 多嘉雄(みそらや たかお)は、10年以上もの期間役者を、そして監督・脚本家を生業としてきました。その経験として、役者の呼称について詳しくお話させていただければと思います。

監督・脚本家 三天屋 多嘉雄(みそらや たかお)

東京工業大学大学院 社会理工学価値システム 文化人類学 学術修士取得。 芸歴80年・松尾芸能賞(※1)受賞者の沢竜二に弟子入りし、10年に渡り修行。 弟子入りしてわずか3年という沢一門でトップクラスのスピードで花形座長になり、年間400本を超える舞台に立つ。 ニューヨークでの一座公演を成功させ、当時の地元紙に取り上げられる。 企業ドラマ「人生のメソッド」シリーズの脚本・監督を務め、大賀屋薬局編、英進館編、明治産業編など合計で83.9万回以上Youtubeで再生される。 (※1)松尾芸能賞とは、高倉健や西田敏行など名だたる演劇人に与えられる賞。

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お芝居の稽古で真(しん)と呼ぶのは、いわゆる主役のことです。
物語の中心人物です。歌舞伎では一枚目とも呼びます。
我々、伝統芸能役者は、シンと呼ぶことが一般的です。

二枚目、三枚目という言葉は、皆さんよく耳にするかもしれません。
二枚目とは、色男を指します。二枚目俳優と言えば、カッコいい俳優さんを連想します。三枚目の俳優とは、道化であり、いわゆる面白おかしい役どころを指します。
二枚目俳優とか、三枚目な一面があるなどの言い回しは、一般的にも使われます。

そもそも、これらの語源は、歌舞伎や旅芝居から来ていると言われます。
歌舞伎や旅芝居の屋台や劇場には、いつも8枚の看板が並んでいたそうで、
看板の並びが、このようになっていたそうです。
一枚目:主役
二枚目:色男
三枚目:道化
四枚目:中軸
五枚目:適役
六枚目:実敵
七枚目:実悪
八枚目:座長

歌舞伎の世界ではこういう言い方を、今でも使っているのかもしれません。
我々のやる伝統芸能では、二枚目、三枚目とは言います。
しかしながら、四枚目~八枚目とはあまり使いません。加えて、一枚目とも呼びません。

二枚目は、見た目で語られることが多いです。
例えば、
・カッコよく強い二枚目
・中性的な優男の二枚目
といった感じです。

三枚目は、役割で語られることが多いです。
例えば、
・道化として面白おかしい役どころの場合
・狂言回しと言って物語をかき乱す役柄を指す場合
があります。
 この時は、それほどキャラクターも際立っていると、バランスが崩れてしまいます。
 役者の役の中でも、難しい役回りとして扱われ、ベテランか実力者が担当すること主です。

敵役:敵役は五枚目、六枚目に当たるものですが
・七枚目にあたる実悪は、大敵といいます。
子分を引き連れている場合も多く。貫禄のある芝居が求められ
ベテランや実力者が担当をすることが多い。

・敵と言えど、コミカルな芝居を主とするのは三枚目敵。
 例えば、子分から反発を食らってしまったり〜、と賑やかな悪役です。

・そして、クールでかっこいい悪役を色敵といいます。
 ニヒルな役どころで、残忍な一面を演じます。
やっている役者の方は、最も楽しいのはこの役かもしれません。それほど、悪役でありながら、観客の心を掴む役です。

他には、ごちそう役というものがあります。ごちそう役とは、皮肉った言い回しですが、主にはゲストなどが演じる役どころです。どういう役か、具体的な例で説明していきましょう。
西洋演劇においても、理不尽に物語が解決することを見えざる手もしくは、見えざる神などと表現します。物語の終盤、どうしようもなく、八方塞がりとなった場面で、奇跡的な急展開を見せることがあります。例えば、ピンチの時に助っ人が来たりという場面。この、おいしい登場をする役を、ごちそう役といいます。

八枚目にあたる座長は、元締めでありますが、我々の芸能では、座長は基本的に主役を演じます。
座長は、一座の全ての責任を抱えています。運営についても、本番の舞台においても、責任を持っています。
舞台上では、最も輝く存在でなくはいけませんから、座長はその一座の中で中軸となります。
他のエントリでも触れましたが、座長クラスの役者に育つためには、並大抵の稽古ではなく、特殊な稽古を積まなければなりません。しかし、一方で血縁関係から座長となる場合も多くあります。

最後に、花形です。花形役者なんて言う言い方をしますが、まさしく一座のスターです。
若くて、実力がある役者が花形となります。
花形というのは、本来観客が決めるものでもありますが、今では、役職のような扱いで言われる場合があります。座長と花形は、一座の顔となります。

まとめ

呼び方と、役割をまとめました。
一枚目:真:主役
二枚目:色男
三枚目:道化
四枚目:中軸
五枚目:適役
六枚目:実敵
七枚目:実悪
八枚目:座長

役者の方であれば、知っておきたい呼び方なので、覚えておきましょう。

私、三天屋 多嘉雄(みそらや たかお)が代表をつとめますFukuyouアクターズスクールでは、芝居や演戯をする上でもっとも大切な要素である「型」を身につけるレッスンを中心に活動しております。
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