あなたはこのような悩みを持っていませんか?
・監督が「こうしてほしい!」という指示を一生懸命きいている
・しかし、あなたの演戯をみた監督は納得いかない顔をしている
結論としては、
役者が認識を誤っている(断片的な指示から思い込んでいる)ことが、指示どおりに演戯ができない原因の1つです。
私、三天屋 多嘉雄(みそらや たかお)は、10年以上もの期間役者を、そして監督・脚本家を生業としてきました。その経験として、監督の指示通りに演戯できないことについて詳しくお話させていただければと思います。
監督・脚本家 三天屋 多嘉雄(みそらや たかお)
東京工業大学大学院 社会理工学価値システム 文化人類学 学術修士取得。 芸歴80年・松尾芸能賞(※1)受賞者の沢竜二に弟子入りし、10年に渡り修行。 弟子入りしてわずか3年という沢一門でトップクラスのスピードで花形座長になり、年間400本を超える舞台に立つ。 ニューヨークでの一座公演を成功させ、当時の地元紙に取り上げられる。 企業ドラマ「人生のメソッド」シリーズの脚本・監督を務め、大賀屋薬局編、英進館編、明治産業編など合計で83.9万回以上Youtubeで再生される。 (※1)松尾芸能賞とは、高倉健や西田敏行など名だたる演劇人に与えられる賞。
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監督が「こうしてほしい!」
脚本家が「こんな演戯をしてほしい!」
と役者にお願いすることは多々あります。
ところが、監督や演出家は、しっくりとくる演戯を役者にしてもらえず、首をひねることがとても多いです。その原因は、実は、役者が認識を誤っている(断片的な指示から思い込んでいる)ことが大きなところを占めます。
認識を誤るというのは、例えば
「台本が理解できていない」
「場面を理解できていない」
「製作者を理解できていない」ということです。
実は、役者が独りよがりな解釈をしていた。。。なんてことが大いに考えられます。
例えば、「好きな人が振り向いてくれずに、物思いにふけってほしい」という指示をもらったとします。
具体的には、フラれてしまったと勝手に思い込むようなしぐさ、表情、もしくは楽しかった相手との思い出を表現してもらいたいと、監督が頭の中で思っているとします。
しかしながら、「好きな人が振り向いてくれずに、物思いにふけってほしい」と指示をもらった段階で、役者が場面の意味・流れを理解していない場合、物思いの演戯はしっくりこないものになるでしょう。しっくりこないのは、演戯がうまい下手という技術と、ほぼ関係がありません。
前後の場面がどうなっているのかによって、物思い1つとっても演じ方が変わります。物思いの場面1つに関して、監督なり、演出家、さらに、脚本家は何かしらの意味を持たせて、台本全体を作っているわけです。
そもそも、あなたの認識・意味が、監督や脚本家の意図とずれているならば当然、何をやっても当てはまらないわけです。
まず、役者のあなたがやるべきことは、求められていることに応えるのではなく、自分の解釈が正しいかを確認することがです。極論、解釈とニュアンスが正しければ、どんな演戯でも正解となるわけです。
技術や知識などは身につけた前提の上で、あなた自身の演戯への解釈を疑い「監督はこんなニュアンスで演じてほしいのでしょうか?」と確認をとることがもっともよいでしょう。
まとめ
・監督が「こうしてほしい!」という指示を、あなたは一生懸命きいている
・しかし、あなたの演戯をみた監督は納得いかない顔をしている
この場合、役者がすべき演戯の認識を誤っている(断片的な指示から思い込んでいる)ことが、指示どおりに演戯ができない原因の1つです。

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