役者として事務所と契約を結ぶ必要はありますか?役者目線で答えます。

あなたはこのような悩みを持っていませんか?
・事務所に所属するか迷っている
・特に、契約を結ぶ点でモヤモヤしている

結論としては、事務所とは契約書を結んでおくに越したことはありません。特に、お金と期間という観点で契約書で合意をしたほうがよいです。

私、三天屋 多嘉雄(みそらや たかお)は、10年以上もの期間役者を、そして監督・脚本家を生業としてきました。その経験として、役者が事務所に所属する際の契約について詳しくお話させていただければと思います。

監督・脚本家 三天屋 多嘉雄(みそらや たかお)

東京工業大学大学院 社会理工学価値システム 文化人類学 学術修士取得。 芸歴80年・松尾芸能賞(※1)受賞者の沢竜二に弟子入りし、10年に渡り修行。 弟子入りしてわずか3年という沢一門でトップクラスのスピードで花形座長になり、年間400本を超える舞台に立つ。 ニューヨークでの一座公演を成功させ、当時の地元紙に取り上げられる。 企業ドラマ「人生のメソッド」シリーズの脚本・監督を務め、大賀屋薬局編、英進館編、明治産業編など合計で83.9万回以上Youtubeで再生される。 (※1)松尾芸能賞とは、高倉健や西田敏行など名だたる演劇人に与えられる賞。

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事務所と契約を結ぶ必要があるか?と聞かれると、役者ならば結んでおくに越したことはありません。時と場合によって、結んでおくべきだった…と後悔することが起こりうるからです。これから役者業を目指す人にとって、大事なお話であることは間違いありません。

契約書とは?

昨今、事務所に所属する人は、契約書を結ぶ傾向があります。その背景には、ワイドショーなどで、大手芸能事務所が話題となったことも一つだとは思います。これまではどうだったかと言えば、契約書をかわすかどうかも、事務所によってまちまちだったようです。契約書というものが存在せず、口約束だけという事務所もありました。一方で、期限をしっかり記載されていて、いつまで所属するというきっちりとした契約をする事務所もありました。

根本的なお話をすると、そもそも、契約とは、約束です。
さらに、契約とは、最悪なケースを想定して、大事なことを先に決めておきます。そのため、双方にとって重要です。結局のところ、合意形成をしなくてはいけません。裏を返せば、どちらか一方の強引な主張では、互いに不幸な結末になります。合意形成において丁度良い塩梅というのは、なかなか現実には難しいケースも多く、結局のところ信頼関係によって、合意点を見つけることにはなります。

所属するタレントと、運営する会社とでは、双方立場は異なります。
双方の立場から考察していきますが、今回は、タレント側の立場から考えていきましょう。(事務所側の立場は、別のエントリで解説しています。)★

役者の立場で見る契約書

タレントや役者にとって、事務所への所属は人生を左右する大きな問題です。だからこそ、慎重になり迷います。特に、お金と期間という2つの観点で、役者にとっての契約書の意味を知っていきましょう。

お金に関して

まず、多くの人は、どのくらい事務所からお給料がもらえるのかを気にするはずです。例えば、給料か、成果報酬型か、などの形態によって実入りも変わってきます。

給料型だと、売れていても売れていなくても、毎月一定の給料が保証されています。保証を安心だ、と考える人もいます。つまり、売れていない時期でも、芸事に励むことができる。ただし、仮に爆発的に売れた場合も、その給料は基本変わりません。少し報酬が上がることも、あるかもしれません。何億稼いでも給料は20万か30万そこら、という話はざらにあります。

一方で、成果報酬型です。成果報酬型の場合は、入ってきた仕事の報酬の一部をもらうのが一般的です。例えば、30万の仕事がくれば、その50%の15万をもらうといったケースです。たしかに、CMなどの大きな契約が決まったら、大金を得ることができます。
しかし、一方で、仕事がない間は収入も全くないという状態になります。そのため、何かのアルバイトするという人も多いはずです。

契約では、こういう金銭的な流れを、うやむやにしてしまうわけにはいきません。

期間に関して

次に、あなたが、いつまで事務所に所属する契約なのかは重要です。

仮に、自分がここだと決めた事務所であれば、終身雇用してもらいたいでしょう。とはいえ、契約内容によっては、契約が切れてしまう場合もあります。

逆に、いいなと思って入った事務所とウマが合わない場合も、もちろんありえます。しかしながら、契約内容次第では、辞めたくても辞められないというケースもあります。

つまり、契約期間は、長ければ安心というものでもないし、短ければ都合がいい、とも言い切れません。メリット・デメリットをてんびんにかけ、最終的には、あなたが決めるしかないのです。

まとめ

・事務所に所属するか迷っている
・特に、契約を結ぶ点でモヤモヤしている

結論としては、事務所とは契約書を結んでおくに越したことはありません。特に、
・給料型か成果報酬なのか?というお金の観点
・いつまでの期間の契約なのか?という時間の観点

で双方に納得し、合意した上で、契約書を交わすほうがよいです。

私、三天屋 多嘉雄(みそらや たかお)が代表をつとめますFukuyouアクターズスクールでは、芝居や演戯をする上でもっとも大切な要素である「型」を身につけるレッスンを中心に活動しております。
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